一般に売られているダイヤモンドネックレスの
ダイヤの留め方は6本爪の6点留めというものです。
これはダイヤが外れないようにきっちりと固定された留め方で、ほとんどのダイヤネックレスはこの方法で留められています。
しかし、これだとダイヤの輝きは、ある一定方向だけに限られてしまいます。
どういうことかといいますと、ダイヤの輝きは光の反射によって起こるもので、入射する光がダイヤモンド内で反射されて、その光が人間の目に留まり輝いて見えるわけです。
6点留めのダイヤネックレスの場合、ダイヤモンドは爪でがっちり固定されて
いますから動くことはなく、それゆえ反射する光の方向は一定方向に限られて
しまうのです。
しかし、もしダイヤモンドだけが揺れ続けたらどうでしょう。
ゆらゆら揺れるダイヤモンドは、入射した光をあらゆる方向に反射することになり、
それが周りの人間の目に留まりますから、どこから見てもキラキラ輝くダイヤモンド
になるわけです。
たとえば同じグレードのダイヤを二つ、それぞれ違った留め方をした場合、
ゆらゆら揺れるような留め方をした方が、必ず輝くダイヤになるのです。
このゆらゆら揺れるダイヤの留め方を「トゥインクルセッティング法」といいます。
トゥインクルとは「キラキラ光る」という意味であり、まさしくダイヤがキラキラ光る
留め方といえるでしょう。
ダイヤモンドが揺れ続けるためには、ダイヤモンドを固定するのでなく
枠に吊るす必要があります。
クロスフォー社が考案した方法は、ダイヤの両端に二つ丸環を付け、
それを枠に付けた丸環とつなぐというものでした。
しかし、ただ丸環同士をつなぐだけでは揺れ続けることはなく
しばらくすると静止してしまいます。
それは丸環同士の接触部分が面であるため、摩擦が大きく
すぐにダイヤが静止してしまったのです。
そこで考えたのが、接触部分を面ではなく点にして摩擦を小さくすることでした。
通常丸環の胴囲は丸くなっていますが、これを内に向かって山切りにし
丸環同士の接触部分を点にしてしまうことで、摩擦が小さくなり
ちょっとした振動でも、ダイヤは揺れ続けるようにしたのです。
世にいう「トゥインクルセッティング法」の完成です。
このトゥインクルセッティング法は、宝石業界に旋風を巻き起こしました。
沈滞状態にあった宝石業界は、新しいこのトゥインクルセッティング法を
ダイヤモンドネックレスに使い、今までの概念にない揺れるダイヤネックレスを
作り出して、上昇傾向に走り出したのです。
今では、海外のセレブたちの人気商品として注目を集めています。